発表のポイント
・マレーシア・ボルネオ島からみつかったゴキブリ類(昆虫亜綱)をヒメルリゴキブリ(新種)として発表
・新種は高木から得られており、情報の少ない熱帯雨林における林冠のゴキブリ相解明に貢献した
・森林で分解者として有益な森林性ゴキブリ類のボルネオ島での多様性解明を一歩進めた
磐田市竜洋昆虫自然観察公園の柳澤静磨職員が所属する研究チームが、マレーシア・ボルネオ島から得られたルリゴキブリ属の標本を研究したところ、これまで知られていない種を発見し、これをヒメルリゴキブリEucorydia halusとして2023年12月30日に新種記載した。
今回記載されたヒメルリゴキブリEucorydia halus(ユーコリディア・ハルス)はボルネオ島のみに生息し、オスの体長が6.5 mmとなりEucorydia属(ルリゴキブリ属)で最も小さいことや、オスの交尾器の形状から他種と区別することができる。
本種は地上から20m以上の高木上で得られている。今回の研究によって、未知の部分が多い樹冠のゴキブリ類の多様性解明を一歩進めた。
■発表雑誌: Japanese Journal of Systematic Entomology
■論文タイトル: A New Species of the Genus Eucorydia (Blattodea: Corydiidae) from the High Canopy of a Tropical Rain Forest of Sarawak in Malaysia
■著者: Shizuma YANAGISAWA, Clement Het KALIANG, Paulus MELENG, Melvin Terry GUMAL, Takao ITIOKA, and Satoshi SHIMANO
■ 2023 年12 月30 日 出版
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